僕は病気だが、世界はそんな僕よりもおかしなことになっている。

小学生のころに駄菓子屋で50円払って引くクジが大好きだった。

しかし、最近のコンビニを見ると、人気のキャラクタークジのようなものが、700円だったり800円だったりで売られている。

おいそれと子供が出せる金額ではないと思うのだけれども、コンビニゆえに、ちゃんとした当たりが用意されていることは、ちゃんと夢が用意されていて良いなとも思える。

少なくとも、祭りのクジで、ファミコン欲しさに引いたクジが当たった友達の話は聞いたことがない。

そんなクジで今日はちょっとした事件がおきた。

ディズニーキャラクターのクジであるにも関わらず、半額にされていたのだ。350円。

それでも子供の小遣いでそれに挑戦できるかは少し疑問だけども、いつも買ってもらえない子供が、おかあさんにねだってみれば、ワンチャンあるかな?っていう価格設定。

僕の脳裏には、ワクワクしている女の子が脳裏をよぎったのだけども・・・。

 

50代くらいの夫婦が店に入ってきて店員を呼び止めた。

「このクジ、全部買います」

もちろん、お店も断る理由もないのかもしれない。その要求はあえなく飲まれてしまった。

ビックリマンチョコも、中身をちゃんと食べない問題みたいなものはあったが、少なくとも駄菓子屋の親父は、ひとり一個だけだぞと僕らは
釘を刺されたものだ。

僕は、思う。子供に夢を見せるためのこのクジというシステムが、なんだか、権力のある大人の現実を知ってしまうという悲しい現実。

しかし、本当の問題はコレではない。

クジは引くまでもなく全商品をレジでもらう時に事件は起きた。

おばさんは、こう言いだした。

「あ、このハズレのコレとコレは要らないからそちらで捨ててください」

当然、レジのおにぃーさんも困惑。

「あ、いえ、あの、貰ってもらわないと・・・」

もちろん、売り上げうんぬんもあるが、そもそも、処分するには忍びないのでクジは半額にされているであろう。

それをあろうことか、お金は払ってるんだから捨ててくれと頼んでいるのだ。

ここで僕が、「それならば私が貰っておきましょう」とか上手な声かけができれば良かったのだけれども、そんな頭の機転は効かずに、ただその出来事を見るだけだった。

買ってもらえない子供もいる。

クジを楽しみにする子供もいる。

ましてや、あなたが捨ててくれといったその商品で喜ぶ子供だってたくさん居るんだ。

俺は思う。

俺は病気だけども、この国は病気じゃないけどイカれた自分に気が付かないやつがたくさんいる。

みんな愛を想い出してほしい。そして誰かが愛を広めていかないと。

俺は病気だが、この世界はもっと異常だ。