10年経った今だから判ったこと

先行きの見えない不況。口にしている人は楽観的かもしれないが、生きていくために仕事を必要としてる人にとっては、カンタンに口にできるような言葉ではありません。

かつては、派遣切りなどが社会現象になり、一時期は影を潜めていた派遣社員という形態も、安倍政権へと移行した年から、徐々にひっそりと増えてる気がしてなりません。

私は、今から10年前に、とある自動車会社へ派遣として入りました。28歳。娘はまだ2歳でしたが、月のお給料は手取りで20万円もなかったです。2DKの安いアパートで3人布団を並べて生活をしていました。

私は、その後、幸いにも、その会社から社員登用のお話を頂くことができました。その半年後には、いわゆる派遣切りが話題になっていきました。

一緒に働いていた仲間も、そのほとんどが、今では社内に居ません。あの苦い想い出は今でも私を苦しめることもあります。

派遣から社員になっても、所詮は中途ですから、後から入った新入社員ばかりが、次々に社内研修を先に終えていきます。

そして、近年、あの頃の私と同じように、職場に派遣社員が入ってくるようになりました。私は、彼らの苦労も知っているつもりです。だから、他の社員にはバレないようにアドバイスをおくることもあります。

派遣社員から正社員へなることが、本当に良いかと言われると、それは私が、この先でどう会社での生活を終えるかまではわかりません。ただ、ひとつ言えることは、安定した生活というのは、心の余裕ができることは確かです。

私は、20代のあいだに弱小な家族企業や、金融ブラック会社など、仕事においてはたくさん苦労をしてきました。もう40歳を過ぎる今になっても、その苦労を想い出し、雇用の情勢については、今もなお興味の中心であり、様々な勉強を続けています。

あなたもこの先、ずっと派遣でいたいなんてことは思ってないでしょう。これから、私が見てきた10年を振り返りながら、あなたに何かしらの手助けになれることを書ければと思います。キレイ事ばかりを書く気はないので、気を悪くする記事もあるかもしれませんが、私が体験してきたリアルであり、今も目の前で見ている現実ですので、きっとお役に立てると思います。

派遣から正社員を目指すのであれば選ぶべき会社のポイント

私は、製造業ですので、男性のその視点からのお話になってしまいますが、今思えば、派遣会社に入る際にも、すでに明暗が分かれている気がします。

製造の現場では、正社員と派遣社員が一緒に混ざってラインのお仕事をします。

もうすでに、経験されている人はわかると思いますが、カラダを使ってお仕事をする場所では、やっている仕事なんて大して変わりありません。

派遣会社といっても、これもまたいくつかの会社がありますから、製造の現場では、服もそれぞれの会社の作業服をまとい、誰がどこの会社の人かは一目瞭然にわかります。

しかし、工場のとある場所では、ある派遣会社が固まっていたり、また他の現場では他の派遣会社の人が固まっていたりはよくある話しです。

派遣社員のお世話は、その現場の正社員がやるものではなく、派遣会社の中のリーダーが面倒を見ます。

現場がそれぞれに、離れ離れになるよりも、おおよその場所に固まって派遣されているほうが、管理が雇う側の会社にとっても、派遣する側の会社にとってもやりやすいのだと思います。

入った現場次第ではいきなり絶望なこともあります

例えばですが、配属された先の職場で、自分と同じ派遣会社の人がいなかったとしましょう。これは、そうそうないパターンなのですが、どうしても人が不足している現場では、誰でもいいからよこしてくれという応急的な対策をとります。

運悪くタイミングがあうと、そういった形で、他に同じ作業着をきている人がいない職場へと派遣されることがあるのです。

やってきたときから、本人も違和感を感じますし、大抵はそういう現場はキツイ仕事が待ち受けています。すぐに自分は単なる数のためにいるんだと気がついてしまいます。

それでも、頑張ってる人はエライのですが、今度は人が足りて余ってしまうと、まっさきに移動の声がかかるかは、もう言わずともわかるでしょう。

それが、半年、1年先であったりすると、また移動した先で、1から人間関係も含めてやり直しです。

もっと最悪なのは、その現場に、あなたより半年後に入ってきた派遣社員さんがいたりすると、本来はあなたのほうが長くこの工場に通っているはずなのに、まるで新人のように扱われてしまいます。これは派遣という立場だとわかっていても、歯がゆい思いをするところです。

配属先は単なる運でしかない。派遣会社選びも慎重に

ここまでの話しで、残念なのは、派遣会社にはいる前に配属先まではわからないということです。派遣される会社はおおよそ見当をつけることは可能ですが、その中で、どこに配属されるかまではコントロールすることはできません。

そこで、まず、派遣会社を選ぶときに、そういったことを予測しておく必要があります。

例えば、トヨタ自動車さんへ派遣会社から派遣されている会社が、A社、B社、C社とあったとしましょう。

この派遣会社からの人材は、どこも一律に同じ数ずつ来ているワケではありませんよね。

だいたい半数がA社からの派遣で、残りの3割と2割がB社とC社だとしましょう。

できれば、こういう場合はA社を選ぶべきです。

B社とC社から、派遣されていくと、そのA社の人が抜けた穴に、A社から人が間に合わず入れられたなんてことが起こりやすくなるからです。

それは、B社とC社の現場で人が抜けても同じじゃないか?と思う方もいるかもしれませんが、少し見方を変えればわかります。

なぜなら、圧倒的にA社の派遣さんが多いので、辞めていく人もA社の人間がずば抜けて多いからです。

A社の人間が現場から抜けると、A社から派遣さんがくるのが、最も効率よくなりますし、入ったその日から、社員さんとA社の人間だけの現場の恵まれたスタートが切れます。

派遣会社選びを大人の事情的な要素から考察してみる

ひとつ前にも、派遣会社選びについて書いたのだけれど、こちらはもっと大人の事情を踏まえた内容で、できるならぜひ実践してほしいものです。

私が1年足らずで、正社員として声をかけてもらえたのは、実力でもなんでもなく、この理由が9割だと思います。

タイミングが全てなのですが、ある程度それがわかれば、狙いやすいものです。

余談ですが、今、私の職場は、そのタイミングの時が訪れる手前ですので、おそらく来年か再来年には、幾人かの人に声がかかるものと見えています。中途入社の私に誰を選んだりする権利とかはないですけどね(笑)

さて、どういったタイミングと大人の事情があるかについてお話しますが、まずは、私の10年前の話しを具体例にあげてお話させてください。

業務が拡大するタイミングで派遣されると大当たり

私が派遣で、工場へといったときの配属先は、ちょっと変わった場所でした。

会社は、すでに歴史があるのですが、その建屋はできたばかりで、まだ生産というものが始まる前のテスト段階な様子でした。

そこに一度に、50~60人くらいの派遣社員のひとりとして送り込まれたのです。部署は、一般的にいう●●課とか●●係といった場所ではなく、入って間もない間は、●●企画室みたいな部署でした。

そこにいる正社員の人たちも、これまでの部署から、数名ずつ集められている感じで、まさにこれから始まる感しかないような場所だったのです。

やがて、生産のラインとしての準備が整い、業務としての生産がはじまりましたが、3~4ヶ月も経つ頃には、一緒に入った派遣の人間は半分は辞めていました。

しかし、現実に人は減っていくのに、次の担い手は、誰も入ってきません。

そのままの人手で、半年くらいやっていると、正社員の話しが来ました。実際に、何か努力しただとか、目立っていいことをしたということもありません。

これは、単純にタイミングよく、そーいう話しが準備されていた職場にたまたま配属になっただけなのです。

派遣から正社員への登用というのは、私は単純に運でしかないと思います。実力が評価されるようなシステムは、派遣には何ひとつありません。

しかし、その場所ではらいてる人間を、押しのけて他の正社員がくることは、ないのです。なぜなら、その職場において、その仕事を覚えてるのが自分だけだったらどうでしょう?

これは、非常にラッキーな展開であっただけなんですが、しっかりと情報に耳を立てていれば、ある程度は上手く真似できると思います。

ポイントは2つあります。

・派遣先の会社はこれから業務の拡大の予定があるのか?

・派遣会社は、その派遣先の会社の資本が入っているか?

この話しを元に何が良く、どのようにするべきかを解説していきましょう。

その派遣先はただの人手不足なのか?業務の拡大なのか?

派遣から正社員への登用を視野に入れているのなら、まずは派遣先を選ぶ時点で名案がわかれることがあります。

しかし、派遣会社を選ぶことも重要ですが、自分がその派遣会社からいく派遣先のことも調べておく必要があります。

正社員の登用の可能性があるとすれば、業務の拡大のために人を募集している会社を派遣先に選ぶべきです。

どんなに、過去の経験や、技術を持っている人でも、派遣先の会社では、その経験を活かすような職務にはつけないことが多いです。

実力が正しく評価されて、正社員への登用があると考えている人は、入ったあとの現実に絶望的になるかもしれません。

派遣から正社員への登用は、結局のところは会社の都合が優先だからです。

派遣の求人を見ればわかると思いますが、実際には、派遣先の会社名は書かれていません。しかし、地元の人であれば、その派遣先がどこの会社を指しているのかは、おおよそ予想がつくと思います。

また、派遣社員として、登録をする際に面接が行われることが一般的です。面接の際に、希望の派遣先などを聞く会社もあるかもしれませんが、たいていは、それも派遣会社の都合が優先されます。

求人の中で、「業務拡大のため急募」という文字を見かけたら、まず、登録しておくほうが良いでしょう。面接の際に、どこの会社でどんな業務の拡大があるのかをこっそりと教えてもらうことはできなくもありません。

もし、派遣先が自分の思うような企業でなく、ただの人手不足の解消のために、単に労働力を必要としているためだけの求人ならば、何かしらの理由をつけて、そこには、ちょっとワケありで行けないということを言えばいいのです。

「そこの会社は、親戚が働いているのでちょっと・・」など適当にどうぞ。

今にも、仕事がないと生活ができない焦りなどもあるかもしれませんが、慌てて登録した派遣会社で、ハズレの派遣先を引いてしまうと、向こう2~3年後に、また同じように苦労することは目に見えています。

人手が足りずに派遣を必要としている会社は、業務の波の中で、仕事が減ればすぐにその人の役目を終えます。よーやく慣れたころに、また、別の部署へと回されたり、あるいは、派遣先の会社すらも、他の会社へ回されるかもしれません。

しばらく、腰を据えて安心して働くためには、できるだけ大きな会社の業務拡大に合わせてすべり込むべきですし、会社選びの重要性でも話ししたように、社員登用への希望と可能性は大きく違うのです。

派遣会社の登録は、いつでもできますが、派遣先の求人が業務拡大であるかを事前に調べておくことは、派遣で働くとしても重要なポイントです。

さて、ポイントは2つありましたね。

・派遣先の会社はこれから業務の拡大の予定があるのか?

・派遣会社は、その派遣先の会社の資本が入っているか?

もうひとつの資本についてのお話です。こちらは、かなり大人の事情的な要素ですが、私もコレにあてはまります。知っておいて損はありません。

派遣会社は派遣先の大手企業が作った大人の事情

アウトソーシングという言葉が、一般的になりつつある時代に、多くの派遣会社が誕生しました。

今でも、なにかと問題視される派遣会社ですが、あなたはこのことについて考えたことがあるでしょうか?

「そもそも派遣会社は誰が作ったのか?」

ある日、成功という野望に燃える若者が思いついて、この事業を始めたのでしょうか?絶対に違います。

必要なときに、人手がきてくれることに一番喜ぶのはどこかは言わずともわかりますよね。

自社で人を募集するとなると、それを面接する人間や時間も自社で割かなければいけません。業務が縮小せざるを得ない時期に、人手はカンタンに切ることはできません。大手の会社で組合なんてものがある会社は尚更です。

しかし、この時代に、余剰な人材を抱えて生き残れる企業なんてのは、数えるほどしかありません。もう、答えが見えてきましたよね。

そもそも、派遣会社というのは、派遣先が作ったものであるということです。かつて、銀行が貸し渋りをしながら、街に銀行の太い資本が入って、消費者金融が出店しまくってたアレに似てますね。

つまり派遣会社というのは、どこかしらの会社の資本が入って作られているケースが多いのです。

それでは、それと正社員登用と何の関係があるのかを説明しましょう。

会社にとって都合が良いのはどちらの派遣会社から引き抜くほうが良いのか

派遣から正社員になるには、自分の実力が十分でないだかとか、周りとの調和や人間関係によるだとか、実際にはそういったことは最重要ではありません。

もちろん、派遣さん同士で比較された場合は、どっちを雇う?みたいな個人の競争というは当然ありますから、そこらへんもきっちりとしておくほうがいいに越したことはありません。