私も、いくつかの転職を経て自動車工場で働いていますが、自動車工場の人間関係の悪さは、独特で群を抜いていると思います。
もちろん、こういったことは会社単位ではなく、職場や置かれた環境によって異なるものですが、私なりに感じていることを書いています。
同期の中途入社から抜け出す理由は単に年上ってだけ
日本は、何をおいても年功序列です。そうでないと、余計に人間関係をギクシャクすることが起きます。年上を敬いましょうと言われて生きてきた世代は、それを重んじているからです。
しかしながら、当の本人たちがそれに気がついていないことがあるのです。
ある工場で、一度に多くの中途社員を雇い入れたとしましょう。
何年かするうちに、この中からリーダーを決める必要が出てきたとします。
この時、誰がリーダーに適しているかの話しになる場合に適任となる人物像をひとことで言うと、「言いなりの年長者」です。
年功序列なのに判っていないヤツがいる
基本的には、その中でもっとも年上であり、言うことを聞く人からです。おそらく年下の中に実力がある人間もいるのですが、選ぶ側はそうしません。
年下の指示で動くことも嫌ですし、年下が上に立つのも嫌がることは明らかだからです。
ですから、基本的には、同じグループの中で年長者から選出するほうが、今後の人間関係も円滑に保ちやすいのです。
しかしながら、選ばれた側が、そういった社会の当たり前のシステムを知らないことがあります。
「これは、俺が頑張ったから。俺の実力だから」という勘違いです。
実力が理由ではないことを選出に際して言っているのに
こういうのを選んだほうが悪いということにも繋がるのですが、同じ年の人間が何人も同じグループには属していません。
一番年上の人間が選ばれた時点で、周りも年功序列であることに気がついているはずです。
なのに、選ばれた本人が、これを勝手に実力だと決めてしまい、周囲への態度が大きくなったら最悪です。
あっという間に、このグループの人間関係は崩壊してしまいます。
おそらく、そういった話しは何気なくされているはずなのですが、残念ながら本人がバカなので、意図までわからずに引き受けてしまいます。
選んだほうも、もう少しほんとのことを、はっきり言っておくべきなんですけどね。
年功序列とはよくできた言葉なのです
年功序列っていうと、実力なんてものは関係ないように思えますが、まさしくその通りです。
しかしながら、その言葉を、全員が共通の認識でいることによって、他の年下の仲間たちも、仕方がないかという諦めで丸く収まる、都合の良い言葉なのです。
これが、実力を正しく評価するなんてことだったら、逆に大変です。
そもそも、工場のラインの仕事なんてのは、やることやるだけなので、実力を正しく評価しようも何もありません。
年上の人は、運よく自分が出世したことを謙虚に感謝することが求められているのです。